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G 女達の背中を押してくれる男達にため息 -「いち抜けた!」と言える社会
毎日日本人のお客様と接していると、パリに住んでいながら日本の社会縮図が見えて来て、色々な発見をさせて頂けるものだ。最近のお客様の中で、既婚 30 代男女の単身留学、又若手駐在員が奥さんの仕事の関係で単身で赴任するケースが増えて来ている。女性として、喜ばしい進歩だと目を細めている。
ところがその反面、 20 代以下の若い世代の保守化、強い結婚願望には吃驚してしまう。特に所謂有名大学で教育を受け、知的なタイプの女性達が、である。「私、負け犬にはなりたくないんです」、「女って結婚次第で運命が決まりますよね」、「結婚して家でお小遣い稼ぎにお料理教室でも出来れば…」等、雇均法の申し子とも言える私達の世代からすると目が点になってしまう様な発言の数々だ。
余りにもこういった発言が多いため、周りのありとあらゆる年齢層のフランス人にこの話題を持ちかけてみた。議論好きなフランス人の事、色々な意見が飛び交ったが、「それでは日本人男性が可哀想」と言うのが男女共に一致した意見だった。そんなに寄りかかられてしまっては日本人男性の負担が重過ぎる、と言う事である。
フランス人男性は小さい頃から女性を敬う事を教えられるが、その反面「義務」も求めるのだ。つまり、経済的、精神的に自立している事を求める。 超ブルジョア階級を別として(そういった階級の奥さんたちはボランティアや教会の活動を主事する)、 一家の経済を男だけが支える、と言うのは余り聞かない話だ。そして男性も、稼ぎを第一に考えず、自己実現が出来る仕事が求められる環境がある。ある研究者の男性は「僕の給料は安いから、妻が働いてくれないと今の生活は維持していけない。でもこの仕事が僕がやりたい事だし、そのために勉強して来たし、社会にも役立っていると思う。」と言った。彼の様人は、日本ではもしかしたら軟弱とか甲斐性なし、とか言われてしまうかもしれないが、こちらでは、彼も彼の奥さんも、そして世間も、「当然」と見なしているのだ。
日本の若い女性がどうして、そこまで保守回帰してしまったか、社会学的な裏付けはこれから勉強していくつもりだが、雇均法世代の先輩たちを見て幻滅した、という事も一因なのだろう。男社会であんな辛い思いをするなら結婚して巣籠った方がずっと賢い、と言う見解を持った女性も少なくない様だ。勿論、結婚、育児を否定するつもりは毛頭ない。日本の社会の中で、子供のある女性への職場対応がフランスに比べて各段に遅れているのも事実 である。 しかし、働く、生活の糧を得る、と言う事は人間の基本的な義務であり、夫婦の一方に押し付けられるものではないと思う。自分達が安住するために夫に辛い仕事をさせるのはちょっと虫が良すぎるのではないだろうか?
フランスでも女性の結婚、育児と仕事の両立は大きな問題である。しかし、高等専門教育を受けた女性はやはり一生仕事し続ける事を前提として人生設計をするし、男性もその背中を押している。働いてもらわなくては困るが全面的な協力もするのだ。フランスの男性は「男は一家を支えて云々かんぬん .. 」と云った伝統的な「男の責任」からいち抜ける代わりに、男女同権/平等を身を持って実行しているのである。
現在の日本では、リストラ等で男性の雇用も保証されている訳ではない。そんな中で寄りかかられたらストレスが溜まるだけではないだろうか? 日本で、職場環境が整い、男性が家事や育児に積極的に参加出来る様になるのは次の段階かもしれない。だけど今、日本の男性たちに是非是非「いち抜けた!」と言って欲しいのだ。優秀な若い女性が、現実に絶望して巣の中に入ってしまわないうちに…。貴方たちの将来配偶者となるかもしれない女性たちの背中をどんどん押してあげてほしい。その代わり、買い物やゴミ出し等、出来る事から家事に参加すべき。背中を押した力の強さの分、自分にも義務が跳ね返って来る事もお忘れなく!